祇園祭(2012年)と八坂神社
この写真は、去年の祇園祭のときのもの。祇園祭の最大の見所とされる7月17日の
32基の山鉾が京都中心部を巡行しているときの一枚で、急用で京都に行けなかったとき、
娘が写メールで送ってくれた写真です。
7月半ばに開催される山鉾巡行は動く美術館とも称され、それは絢爛豪華です。
これら山鉾が猛暑の四条通を大きく回り込みながら八坂神社に向かう様は、
見物客の胸にどんな思いを呼び起こすのでしょう。
わたくしは、京都千年の歴史というものを、そのパワーを、
まざまざと感じさせられるものでした。
その、祇園祭 (←クリックしてご覧ください)
が昨日から始まりました。どうぞクリックしてご覧になってください。
この祇園祭、全国的に名前が知られている京都の夏祭りですが、
その内容となると、京都の方以外では、
意外と知られていないように思われます。
祇園祭は7月1日から始まり1か月にも及ぶお祭りです。
その日程を眺めるだけで祭りとしての大きさを感じさせられますが、
今のこの時代の中で1カ月も続くお祭りなんて、
尋常ではないですよね。まずは、そのこと自体知られていないのではないかと。
わたくしも、まさか一か月も続いているものとは知りませんでした。
祇園祭といえば、八坂神社。
なのに、わたくしはこの祭りを京都市(主催)の祭りだとばかり、
実は、京都に住むまで、そう思っておりました。お恥ずかしい限りです。
京都の一般の人たちにとっては、
「梅雨が明けたら祇園祭」という感覚のようで、
ご近所の方たちにとっても、
「もうじきやわねえ」
というのが、この時期の挨拶代わりです。
そんな京都の方たちからすれば、信じられない話でしょうが、
祇園祭を祇園という町のお祭りと勘違いしている人たちもいるようです。
我が家の大学生になる娘も、その辺り、実に曖昧でしたから。
日本で祭りと言えば、その多くはその土地の神社の祭礼です。
祇園祭=八坂神社となれば、当然、八坂神社の氏子さんたちの祭。
お寺ではお釈迦様の生誕を祝う花まつりなどがありますが、
こうしたことは、檀家さん以外はご存知じゃないかもしれません。
それほど、仏教行事も廃れているということなのでしょうが、
それと同じなのかなあと。
こんなにお寺があるというのに、
日本で仏教行事が一般にあまり顧みられないのはなぜなのか。
お寺が壇家さんたちのものであるという思いと同時に、
仏教を「日本の伝統文化」としてとらえるという発想も、
お寺にとって大事なのではないかなあと。
いまや「葬式仏教」と揶揄されるほどですけれど。
仏教にかぎった話ではなく、布教が自由になっているにも関わらず、
信者が20万人程でずっと変わらないと言われるキリスト教の、
その行事ではクリスマスが日本では商業的に大盛況ですが、
イエスの受難については、多くの日本人は関心がない。
人類の歴史として、人間の情操教育として、あるいは、民族の文化として、
学校の授業の中で「宗教について学ぶ」ことはとても意義があり、そして、
必要だと思うのですけれど、いかがでしょう。
宗教教育=戦争教育といったトラウマから、
そろそろ自立する時期なのではないかと。
そうしないと、この祇園祭のことも日本の歴史や文化のことも、
分からないままなのではないかと。
八坂神社は、明治まで祇園社、感神院とも呼ばれていたそうですが、
それは、神仏習合、神仏混交の歴史のせいですね。
八坂神社と改名されたのは、明治元年なんですね。
八坂神社のご紹介の時も触れたと思いますが、この八坂神社、
創建に諸説あって、いまだによく分からない。
社伝によれば、貞観11年(869年)に、
全国で疫病が流行し、それが牛頭天王の祟りだとされたため、
疫神追放の祭りを行うことになり、矛(ほこ)が66本立てられた。
この66という数は、当時のこの列島内の国の数ですが、
山鉾巡行で有名な「鉾」は、この「矛」がルーツなんですね。
★祇園祭(この祭りのことをお知りになりたい方はクリックしてください)
(今年の三月に撮影したものですが、小雨が降り出すようなお天気でした)
祇園に出かけるたび、時間があればついでに寄るという感じもあって、
もう何度も八坂神社には出かけてきましたが、
創建が分からない程も古いだけに、古代史研究が趣味の一人としては、
ここも謎の多い神社だとつくづく感じます。
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