月光院璋子の日記
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マキュアベリの言葉(9)・・・・「側近」について
最近、某党の国対の役職にある政治家が、
党の党首の「側近」と称されているのをよく耳にするようになりました。
マスコミは、こういう言葉、好きですよね。

そのせいでわたくしたちは、
権力者の側近とはどういう存在かなど深く考えることもなく、
マスコミが無定見に作り出す側近イメージで側近を
無意識のうちにイメージさせられているかもしれません。

そこで、「側近」について、
マキュアベリが語っていた言葉を思い出したので、
ご紹介したいと思います。
彼は、


「側近にどのような人物を選ぶかで、
その為政者としての能力が分かる」


また、

「側近の選択が良いか悪いかは、
人の上に立つ者にとってきわめて重要なこと」


だと繰り返し語ってます。

為政者といえども、いえ、為政者だからこそ、
自尊心をくすぐるようなことを言われると誰しも悪い気はしないのでしょうが、
気が付けば、自分にへつらいおもねるような輩ばかりに
取り囲まれるようなことも起きてしまう。
側近がこれでは為政者ならずとも企業のトップでも、
道を誤る元ですよね。

けれども、
そういうおべんちゃらを言うような人間を遠ざけたら遠ざけたで、
それはそれで問題が起こる。

なぜなら、

権力を握るトップにへつらっておもねるような人間って、
無視されていると思うと自尊心がいたく傷ついてしまい、
場合によっては裏切り者になったりしやすいからです。
その結果大局など考えもせず
その為政者ばかりか周囲にも害をなしたり、ろくなことはない。

権力ある為政者の周りに寄ってくるこうしたタイプの人間、
つまり、「おべっかを使う人間」、「へつらう人間」、「おもねる人間」たちが為す害悪を未然に防止し、
こうしたタイプに感染しないでいるには、さて、トップに立つ人間はどうしたらいいか。

マキュアベリは、こう言います。


「真実を告げても気分を損ねることはないという保証を、
相手に示す」


それしかないと言い切っています。
トップがトップとして自分の身を、害をなす側近から守り、かつトップとして、
側近たちに全うな仕事をさせるには、これしかないと。


けれど、

周囲にいられる側近なら誰でもトップに言いたい事が言える、
直言してもOKとなると、実は、トップに権威がなくなるかもしれません。
それはそれで、トップにとっては危険なことではないでしょうか。

それに答えるかのように、
マキュアベリは、こう言います。


「側近には、賢明な人間を選び、
彼らだけに自分に真実を告げる役割を与えること」


ただし、

いかに側近となった人たちが賢明な人たちであっても、


彼らに≪自発的な発言≫の自由を与えてはならない と注意しています。
トップである自分が尋ねた事柄に対してだけ
自由に率直に答えさせよと。

TVなどで誰かの側近と称されるような政治家議員などが
好き勝手な発言をすることなど、本来「側近」議員ならば
許されないことだということになります。
だから、新聞やTVの記者たちに漏れてくるようなリーク情報には、
当然全てに裏があるということで・・・・
さもなくば、能力のないリーダーだということの証左になる。
垂れ流されたマスコミ情報には惑わされないようにしたいものですね。


通常、トップが側近や部下に自由闊達な議論をしてもらいたいとか
自由に発言してほしいと率直に語ったりすると、
民主的なリーダーだと評したり、多くの人の意見に耳を傾けるトップだと
開明的なリーダーだと評して喜ぶ側近やマスコミもありますが、
そんなマスコミに歓迎されるような「側近」とリーダーでは
ダメだということでしょう。

側近が仮にトップに助言する場合でも、
聞かれもしないこと(相談されたわけでもないこと)を側近が語るということは、
側近自身が言いたくて言うのと違わない。

側近が己の秤で語ることや情熱に駆られて話したがるようなことは、
リーダーにとってはプラスにはならない。
リーダーが判断を下し決定を下す上で、そんなものは何のプラスにもならないと
マキュアベリは見抜いているのです。

けれど、リーダー自らが側近に意見を求めた場合、
その回答が仮にどんな耳に痛いことや聞きたくない様な真実を告げられたとしても、
決して気分を害さないということ。
それを側近との間での約束とし、
その約束をトップが守ることが大事だということです。

むすっとしたり、不機嫌になったり、顔にそうした表情を見せるようなトップでは、
ハナから側近が真実を伝えるなど到底無理ということになりますね。

マキュアベリは、さらにこう言います。
これは凄い言葉だなあといつも感心させられます。(以下は、要約)


人間はなんだかんだと言っても感情の生き物だから、
リーダーだって、側近に対して不快感を見せていいときがある。
それは、唯一、側近が尋ねたときに本当のことを言わないときである。


思っていることを告げないときだけ、
不快感を示していいと語ります。

どうです、トップと側近との関係で、
トップとしてあるべき姿を、側近という存在をこのように語ることで、
マキュァベリは示してもいるわけですね。

自分が認めた賢明な人間を側近に選んだとはいえ、
他人の意見に耳を傾けるにはかなりの忍耐が要りますし、
度量の大きな人間じゃないと難しいですよね、それって。

だからこそ、それが出来るような人間じゃないと、
人の上に立ってもろくなことはないということでしょうか。
リーダーとしてさらに大事なこととして、
マキュアベリは、こう付言しました。



側近として選んだ彼ら以外の人間に
決して助言を求めてはならない。


この言葉など、マスコミが嫌いそうな言葉ですね。
総理であれ党首であれ、リーダーたる政治家が重責を担って自分で決めると、
ワンマンだとか秘密主義だと言って批判する。
けれど、為政者たるものマスコミに「オープンな」人間でいいものか。
ちょっと考えれば分かりますよね。

いろいろな人に意見を求めたり助言を求めたりするような為政者では、
守るべき機密も戦略もあったもんじゃない。
筒抜けになります。いわゆる、リーク。

相談する相手が増えれば増えるほど、
実は判断に迷いが生じてきて、決定が下せなくなるのが人間というもの。
マキュアベリの凄いところは、人間洞察の鋭さです。


「賢明な人物として側近に選んだ相手でも、
私利私欲がないとは言い切れない」


と断言するところ、凄まじいなあ。
そんな側近に≪自発的な発言≫を許していたら、
有効な助言など期待できないと言ってのけるところは、凄みがあります。

こうしたマキュアベリの言葉を踏まえて見ていくと、
昨今「側近」と称される政治家たちやそうした「側近」を持つ政治家の方々は、
その辺りどう踏まえているのか透けて見えてくるようです。
政治家に関して≪側近≫という言葉を見たり聞いたりしたときは、
このマキュアベリの言葉を思い出して考える材料としたいものです。



★長くなりました。クリック一つで飛び回る秒速の世界で、最後までお読みくださった方には感謝申し上げます。有難うございました。

テーマ:政治家 - ジャンル:政治・経済


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