スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

京都国立博物館 特別展の「遊び」展

CA3J2417.jpg

金曜日は夜8時まで開いている京都国立博物館。
30分前まで入場すればいいので、暑い日中を避けて、
ゆとりを持って見に行くことができます。

嫌なニュースばかりなので、
こうした時間がないと体も心も持ちません。

CA3J2418.jpg

ということで、昨夕、招待券をいただいていたので見に行って参りました。
以下のポスター「遊び」と題された京都国立博物館所蔵の名品の数々の特別展。
とても、興味深く、美しい品々を見て楽しんでこれました。

CA3J2415.jpg

展示会に寄せられた永島明子氏の解説によれば、
遊ぶという言葉の意味の時代的な変遷のご紹介があり、
それによれば、712年成立の古事記の用法では、
「舞楽を行うこと」
「魚が楽しそうに動きまわること」

720年の成立とされる日本書紀や万葉集では、
「山野や川などの広い場所で気軽に歩き回って楽しむこと」

10世紀の初めの古今和歌集では、
「酒宴や舟遊びをすること」

竹取物語や枕草子では、
「詩歌、管弦、舞などを楽しむこと」

16世紀になると、「遊学」の意味で使われるようになり、
「見聞を広めるために他の土地に行くこと」

江戸時代半ばを過ぎると、
「仕事や勉強をしないでぶらぶらしていること」

江戸時代も後期になると、
「人をからかい、もてあそぶこと」
「料亭、遊里などに行って楽しむこと」
「酒色にふけること」

という風に、遊ぶという言葉に意味が微妙に変遷してきたことがわかります。
古代の祭祀に関わる歌舞の意味、狩猟や宴席などを意味する言葉から、
やがて、遊興を楽しむという意味になり、その後に、
定職に就かずにぶらぶらしている状態や勉強をしない状態を現わすようになった。
ところが、中国語の「遊」には、舞楽や遊興の意味はなく、
ただ、ぶらぶら歩くという定まりの無さを意味するだけとのことで、
おもしろいことをして楽しむの場合は「戯」であり、
手に何かを持って遊ぶ場合は「玩」という漢字があてられるとのこと。

面白いですね。

ちなみに、英語の「プレイ play」には、遊ぶの他に、
演奏する、競技する、役割を果たす、などの意味はあっても、
日本語の意味の「気晴らしをする」は、プレイにはなく、

気晴らしは、リクリレーション、
ほねやすめして気持ちを楽にするの意味の遊びは、リラクセーション、
気晴らしの娯楽は、エンターテイメント、
遊興となると、アミューズメント、
酒宴は、バンケット、

と、まあ、きっちり区別されて使われるようなので、
これまた、日本語の「遊ぶ」「遊び」とは一線を画するけれど、

遊びの概念を研究したヨハン・ホイジンガによれば、同じ一つの言葉が、
楽しく遊ぶ意味と楽器を演奏する意味と奉納の舞楽を意味するという点に置いて、
「遊ぶ」も「プレイ」のルーツの言葉もそう変わりはないようで、
要は、一定の約束事を踏まえた非日常性と自由性、熱中性という共通項が、
そこに認められるようです。そうした点で、
子供の遊びにも戦争にも遊びの形式が読み取れると彼は考えましたが、
それは、研究者ならではの論理や哲学の結果でしょうか。

この展示会では、日本での古い「遊び」の意味である舞楽、
神々への奉納の舞や音楽、つまり、祈りの意味である「神あそび」という、
宗教性を帯びた遊びの形や姿、祀りと祭りといった次元から、遊興の次元まで、
時代の移り変わりとともに変わってきた「遊び」というものを、
美術品の数々の中に見て行く流れになっていて、
時の経つのも忘れるほど、品々に入っては考えさせられた次第でした。

御所人形もなかなか良かったけれど、
個人的には後半の「清遊」というコーナーが興味深かったです。
君子は琴棋書画(きんきしょが)をたしなむとされた中国の知識人文化。
音楽、囲碁将棋、詩文、絵画という4つの芸道を極めることが理想とされた時代、
日本でも隣国のこの理想にあこがれた時代があったんですね。
囲碁将棋であれ、詩歌韻文であれ、同好の士との交流は、
いつの時代でも楽しいものなのではないでしょうか。
それらが描かれた作品に見入ったひととき、とても楽しい時間でした。

夕方からの時間帯で見られるのは金曜日に限られるようですが、
その時間帯がおススメかなと。

憂鬱な思いになってしまうニュースばかりのような気がして、
朗報があっても心の重さは消えません。そんな方たちに、そして、
御用とお急ぎじゃない方におススメしたい展示会ですが、
遠方の方はお越しになれませんよね・・・・残念です。
せめて、「遊び」について自由にイメージしていただけたら幸いです。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

非公開コメント

ブロとも申請フォーム

★リンクフリー

検索フォーム

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

★RSSフィード

QRcode

QR
管理人

月光院璋子

Author:月光院璋子
自由の享受を幸せと実感する人間です。相手の自由を尊重できる方は幸い。自由のために戦える生は尊い。
自由=愛です。

【Thank You】
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
いま、雪が降る
★お知らせ★
最新記事
Bookmark
月と遊ぶ
最近のコメント
★お花が好き♪
月別アーカイブ
ブログ全記事表示

全ての記事を表示する

ブログ内検索
新しい家族(=^^=)
いつでも里親募集中
★月光の下で
カテゴリー
★閲覧のBGMに・・・
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。