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京都 「紙と絵具と絵画・佐竹龍蔵 展」・・・・gallery near

PC019912.jpg


昨日の休日、またぞろ紅葉見物に出掛けようと思っていたのですが、
なぜか、作家の創造活動というもに触れたくなり、
京都に来てからずっと見続けている若手作家のお一人である
佐竹龍蔵さんの個展に出掛けてきました。


題して「紙と絵具と絵画・佐竹龍蔵 展」


PC019907.jpg


ギャラリーに入って作品を一群を目にした時、
一瞬、村上隆を思い起こしてしまって焦りました。
なぜ、そう感じたのか、あとあと考えさせられた次第でしたが、
それは、やはり、これらの作品に描かれたの目の印象だったのかなと。

前回の個展では風景画でしたが、
今回はご覧の通りの作品たちを拝見してきました。

佐竹さんからご許可を得て写真を撮らせていただき、かつ、
ブログでご紹介させていただくご許可をいただきましたので、
その一部を、以下、ご紹介させていただきたいと思います。


PC019901.jpg


この作品は、こうして正面から眺めてから、
見る側のこちらが移動していくとき、


PC019905.jpg


こんなふうに見えてドキリとさせられます。
なぜなら、さっきまで見ていたはずの作品と違って見えてくるからで、
その理由の多くは、何と言っても描かれた「目」の見え方が変わるからです。

あえて、両目の焦点をずらしているところもさりながら、
佐竹さんの表現方法にもその理由が求められると思いました。


まずは、下の写真をご覧ください。


PC019913.jpg


これだけでも、まるで1つの作品であるかのようですが、
これは、1つの作品の中に一部なのです。
次の写真とその次の写真をご覧いただくと、
それが少し理解していただけると思いますが、


PC019914.jpg

PC019915.jpg


これらをさらに、周囲まで拡大すると、分かって頂けると思います。


PC019899.jpg


そう、上の写真はこの作品の目の部分を拡大して撮らせていただいたもの。
もう一度、上の3枚の写真を、今度は逆の順番でご覧になって見てください。


お分かりでしょうか。日本画で使われる岩絵の具で描かれたこれらの作品、
何層も何層も薄く塗り重ねられているのですが、
透明性を失うことなく、それらの色と色の配置と重なりによって、
独特の深さ、奥行き、つまり、立体感が描かれていることは、
いつ拝見しても驚異です。

その奥行きの不思議さが、その独特の表現方法と相俟って、
佐竹さんの作品の魅力です。

佐竹さんがずっと探求しておられる平面絵画における奥行き、
言いかえると絵画における空間というものを、
佐竹さんはこのような表現で造り出してこられた作家なのです。

わたくしは、この作家のそうした平面絵画における表現への挑戦に、
さらに申せば、平面絵画における立体間、空気感、空間性、
つまり、三次元の新しい表現の試みというその真摯な姿勢に、
強く心惹かれてきました。
乱暴な言い方を許していただけるなら、
彼の作品の場合、モチーフは関係ないと思ってしまう程。


前回の風景を描かれた一群の作品は素晴らしかった。


けれど、佐竹さんは、今回、さらに、進化していました。
以下の二枚の写真をご覧になって見てください。


PC019899.jpg

PC019917.jpg


まるで違う表情です。そう見えます。
作品が変わったのではなく、見ているこちらの立ち位置が変わったことで、
作品を眺める角度が変わったことで、これらの作品が、
まるで生きもののように変化し、違う少女になっている。
さっきまでいた少女は消えて、違う少女がそこにいる。


佐竹さんは、こうして、作品と鑑賞者の位置関係によって、
描かれた作品の表情や見え方が変化すること、
そのように作品を描いてみることに挑戦されているのでしょう。
肖像画に絞られた理由は、まさにそこにあるのかなと。

今回の作品展で一番印象に残ったのは、
ギャラリー内の別のコーナーに飾られていたこちらの少年でした。


PC019894.jpg


この作品を拝見した時、改めて、いえ、初めて、
佐竹さんの今回の個展での試みをわたくしは理解できたように思いました。

こちらの立ち位置と作品との距離においても、
まるで違う作品として目の前に現れてくる・・・・

遠くから眺めたときの表情と近くに寄ったときに見える表情が、
これほどまでに違う表情になる人物の描かれた作品というものを、
わたくしは初めて見たように感じました。


PC019895.jpg


写真ではお伝えできないことが残念でなりませんが、
表情の変化にドキリとさせられて、
食い入るように眺めてしまいました。

この少年の眼差しの深さ、その不思議さ、美しさ、そして、恐ろしさに、
すっかり魅了されて、おののいてしまいました。

ぜひ、作品の前に立ってご覧いただきたいです。

いつもいつも不思議でならないのは、
佐竹さんの作品は何を描いてもそこに「濁り」がないことです。
けれど、いまだにそのことをご本人を前にして口にできないのは、
何故なんだろうと一人でしばし考えさせられるのも、
前回と同じでした。


今回の個展では、制作の初公開も行われていて、
それをたまらない気持でご覧になられる方たちもいらっしゃることでしょう。
けれど、やはり、公開制作を眺めていても、
なぜ、作品に「濁り」が生じないのか、それが分からない。

日本画を専門に勉強しておられる方たちも、
恐らく分かるようで分からないのではないかと、
そんな風に思われてならないわたくし。


「作品と対峙する際の距離や角度、光源の位置や明暗により、画面の印象が変化するように意図的に描くことによって、佐竹が思索する、平面絵画(二次元)という制約の中で、鑑賞者の視点を含めた立体性(三次元)を如何に表現できるかという、作家として飽くなき探求心を垣間見る事ができる」(ギャラリーニアの延近氏の言葉)


PC019908.jpg


個展会場となっている「gallery near」の延近謙氏が書かれた文章もまた、
佐竹さんの作品に対していかに良き理解者であるかが感じられて、
素晴らしいものでした。

前回の個展で拝見した風景画のことに触れ、
以下のように評していらしたところも。

「近年では、こども以外にも山や河川といった風景をモチーフにした作品も見られ、その二つを共に描いた作品も登場しております。高知県の四万十市を故郷に持つ佐竹にとって、子供の頃に見た四万十十川周辺を思わせる雄大な風景と幼き頃の自分自身の記憶を辿ることで、自身も影響を受けてきた過去から現在への環境と社会の変化、そして自らを含めた我々大人たちが作る未来によって変わらざるを得ない、こどもたちへの責務として、より良い未来を託す象徴として、こどもを描き続けているのではないでしょうか」


佐竹さんは、現在、京都造形芸術大学で講師をされると同時に、
京都アートスクール「こども造形表現教室」を開催。
お若いけれど、精力的に作家活動を行っていらっしゃる一方で、
学生や子供たちの育成にも心を砕いておられるそうです。


PC019919.jpg


ごいっしょしていると、温厚な方だなあとほっとします。
話をしているときにも、実に、繊細で細やかな配慮を感じさせる方ですが、
その眼差しは澄んで、しかも、徹する強さのようなものを秘めていらっしゃる。
何より、誠実で真摯な制作に対する姿勢にぞっこんです。

この若き芸術家の今後の活動と活躍を、
見続けていきたいと思います。


★Gallery Near 京都市左京区田中里ノ前町34-2 珠光ビル百万遍地下一階
       ℡:075-708-8822
★「紙と絵具と絵画 佐竹龍蔵 展」12月4日まで開催




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