海老蔵の映像美にうっとりする海老蔵ファンのための映画・・・「利休にたずねよ」

昨夜、「47RONIN」を見て、
思いがけず、楽しませてもらったなあと。
その感想をしたためる前に、こちらを失念しないうちに書いておきます。
先週、公開日に見て参りましたが、
ドラマ性を期待される方には不向きな映画だろうと思われたので。
映像美、徹頭徹尾、海老像ファンのための映画だなァというのが、
観終えたあとの感想でした。
和服姿のご婦人のグループ姿が見られる映画など、そうそうありませんけれど、
皆さまはかなり満足なご様子でした。
本作「利休にたずねよ」は新しい利休像というキャッチコピーでした。が、
原作を知らないわたくしとしては、茶人の利休が主役であれば、
当然、茶道具や茶室も出てくるだろうと、
それを眺められたらいいなあという密かな楽しみがあり、それは、
満たされた気がします。

どこの茶室でロケをしようと再現された茶室であろうと、
その茶室を眺められるという期待もさることながら、
映し出される茶碗や所作を眺めるとき、思わず、
利休の思いを推し量ってしまう。そのように、
映像が展開する映画でした。
なので、ドラマ性は、見ている側の心の中に生じ展開する。
そういう映画なのかと思っていたら、
いきなり、高麗美人が登場する追想場面になり、
その追想の中に、序・破・急ありで、
映画全編としては、序・破・序というものだったなあと。
全編、古色をかけたかのような映像で、
映像美というものを堪能させてもらえました。
そして、冒頭の、団十郎と海老蔵のツーショット、
これには、思わず、胸が衝かれました。

団十郎、本当に、良いお顔でした。
もう、鬼籍に入られたのだと思うと、込み上げてくるものがあり、
何の映画を見ているのか分からなくなったほど。
本作の感想を、最後に一言申し上げるなら、
利休の秘められた恋の話、利休若かりし頃の高麗美女との追想シーンは、
正直な感想として、要らなかった。
あれで、利休のイメージが完全に浅くなってしまった。
信長も秀吉も軽量級の味のある役者でしたから、
その分、美に殉じる茶聖の存在感を海老像自身の美によって演じさせる。
それが可能だったはずで、静の場面と動の場面の対比もまた、
利休の内面を追うことで可能だっただろうと。
それが描かれ得たなら、それだけで十分だったのではないか。
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