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原発問題(59)・・・原発技術の安全保障における価値

いつか死ぬなら、それも、みんな一緒に死ぬなら、
経済が落ち込んで貧しく生きるより、
何とか暮らしていける経済力を得られる人生の方がいい。
そう思うのも、そう決まるのも仕方がないという思いが、
日本全体を覆っている気がしてならない。


これを、死活問題だからと語ろうが、
ニヒリズムであることに変わりはない。

未来を生きる子供たち世代の事を考えず、今の事しか考えない。
だから、ニヒリズムへの安易な妥協は恐ろしい。

同じニヒリズムを感じさせるものに、核の問題がある。
両者へのわたくしたちの対応は似ている。


核アレルギーと言われる日本人だけれども、
平和や反戦を繰り返し行事のように口にしようと、
この戦後60数年間の日本の安全と平和を保障してきたのは、
間違いなくアメリカの保有する核だ。その抑止力が日本の平和を守ってきた。
日本もアメリカに守ってもらうに値する国として、
アメリカの財布と言われるほどの経済大国になった。
日本の憲法が、この数十年の日本の平和を守ってきたわけではない。

そう思う一人として、いまの日本を取り巻く状況を眺めると、
国の現実問題としての安保問題を考えるとき、
決して楽観できる状況ではない。


近隣国だけに限らず日本を敵性国家とするような国民教育を続け、
それを改めることをしない国があり、そのような国が、
日本に対して核で威嚇してくるという事態は、
将来においてもないと言えるのだろうか。

気に入らない側近を、その影響力ゆえに補縛し排除し、
裁判もなしに処刑することが出来るような独裁国家が、
この21世紀になっても存在し、その国にとって日本は敵とされている現実。


仮に、こうした関係が変化する時期が来たとしても、
将来に渡っても友好関係を持続できる保障はない。
歴史を見れば、誰もがそう思う。


現に、国内事情と生育環境によって形成された特異な思想と性格によって、
嫌日反日一点張りで冷静な外交が出来ない隣国のリーダーのように、
日本といまだに首脳会談を行うことを一方的に拒否しているばかりか、
外国にまで出張って日本を誹謗中傷することに国力を注いでいる国もある。

これらの国民の間では、嫌日反日言動の証明が愛国になり、
正論を口にすると十代の少年でも逮捕される。

何年か前には日本と未来志向で協力提携していこうと言っていたにも関わらず、
その大統領でさえ退任前には日本の総理からの親書を
受け取ることもせず突き返してきたことは記憶に新しい。


こうした近隣諸国の非友好的な対応の数々、
国際儀礼上の非礼をわが国に対する「侮り」と言わずして何と言うのだろう。
甘えだと言う向きもあるが、これらの対応が甘えだというのなら、
国と国との関係でそんな甘えは危険極まりない。


さらに言えば、国と国との間で最も危険な関係は、
何よりも「侮り」であるということも、
歴史を見れば、容易に理解できる。


原発ゼロにして自然再生可能なエネルギーに舵を切ったとしても、
人気のアニメ「風の谷のナウシカ」や「天空の城ラピュタ」のように、
(物語では文明崩壊後という設定ではあったけれど)、
のどかで平和な世界を、仮にこの島国が実現したとしても、
そんな国や領土に野心を抱いて襲ってくる国がないと、
誰が保証できるだろう。


侮られるということの恐ろしさを、今一度考え、
せめて、相手を自重させるくらいの抑止力を考えないでいいのだろうか。
アメリカが永遠にこの島国の独立を守るために、
自らの血を流してまで戦ってくれるというのだろうか。

そう考えた時、原発技術に対する関係者の発言が気になった。

原発存続は、特に、その進化続けている研究開発情報は、
今後の安全保障にとって宝の山だとも言われている。
その研究フィールドから外れたら、取り返しがつかないほど、
将来の安全保障は難しくなるとも語られる。

だとするなら、それを、そのような価値を有する原発技術の研究を、
どのような理由でなら、わたくしたちは、
国に捨て去らせることができるのだろうと。


空想的平和主義では、国も国民も守れない。子供も孫も守れない。
だから、国などなくしてしまえばいいと思う人たちには、
こちらがどう思おうと、相手があることを思い出してほしい。
トロッキーがいくら好きでも、個人的な思いに留めてほしい。

こうしたことを、あれこれと考えるせいか、
原発問題は、なおも考え続けていかなければ、と思う次第です。
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テーマ : 政治
ジャンル : 政治・経済

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予想どおりのレスでした。

おはようございます。璋子さんは早起きですね。昔の人は良いことを言いました。「早起きは三文の徳」と・・・。

璋子さんのレスポンス予想どおりでした。とても謙遜していらっしゃる。さて、そうは言うものの将来予測は難しいですね。

いきなり統計学の分野の話になるが、日常生活において突発(あるいは突出)した変化は異常だから誰でも判る。なので直ちに手を打つ。また非連続な少しの変化は放っておいても構わない。他方、少しの変化であっても連続性(上昇又は下降のトレンド)があれば、やはり異常と見なければならない。

問題は傾向変動の後者である。見逃したり、あるいは判っていてもこの現実から逃避することである。政府財政支出のトレンド、エネルギーコストの推移、高齢化の進展など数え上げたらきりがない。政党も政府も国民も現在の部分最適に特化しているように思えてならない。中長期、将来を見据えた政策の断行が必要であり、それぞれ実行しているかもしれないが実効性に乏しい。

国家予算には限りがあり、優先順位を決めて進めることのほかに、従来の政策課題によっては捨て去ることも必要であろう。たとえば少子高齢化対策は何十年やって来たのか。政策効果が上がっているのか?もっと予算を注ぎ込めば効果が出るのか?結果が出ないのは対策していることにはならない。大変失礼しました。お時間のようです。きょうはこの辺で打ち止めです。(笑)

Re: 楽観主義

閑話ノート様、おはようございます。
冬休みに入っても早起きが止まらないわたくしです。

さて、閑話ノート様の「落下主義」へのご認識。
さすがでございますね。ほぼ同感でございました。が、
自称「楽観主義者」にとっては、自分が「理知的な」合理主義者か否かは、
答えようがございませんけれど、
楽観主義ならしめている背景には、現実主義的な側面があろうかと思われます。
わたくしの「楽観」は周囲の方を驚かせることが少なくございませんけれど、
友人達はそんなわたkすひのことを「リアリスト」と呼びますので、
わたくしにもそうした側面が少なくないのだろうと思われます。
理知的かどうかはともかくとして。

閑話ノート様は、わたくしのレスの中の「諦念」を、
仏教的な意味合いで捉えられたのだとしたら、
ちょっと誤解があったやもしれません。
仮にも学生時代、ドイツ哲学を学んだ一人として、
つい、使ってしまう「諦念」という言葉は、日本語の「諦め」とは、
かなり違った意味合いで使ってしまいます。
「明らめ」に近いかなと。

ライプニッツの「予定調和」論は誤解されることが多いですが、
日本語の「予定調和」という日本語は、そこから派生するイメージゆえに、
どちらかというと嫌いな言葉の一つです。
ライプニッツは好きな一人ですけれど、難しい。
なので、レスはこの辺で・・・(=^^=;)


楽観主義

楽観の対義語は悲観ですから、楽観主義とは今風にいえばプラス思考、何事もポジティブに考えようということでしょう。現実主義に近いかもしれない。なので能天気ではないでしょう。いやむしろ楽観主義者は危険予知能力といったらいいのか、将来を予測することに長けており、それへの備え若しくは意識をしている階層であると思います。そういう意味では、信じられないかも知れませんが、楽観主義者は理知的な合理主義者と言い換えることができると思います。決して諦念でもなければ、ライプニッツの「予定調和」でもない。以上が私の認識です。

Re: 璋子さんの問いに逃げるわけにはゆかない。

思うままをそのまま書かせていただきました。
意見と言えるような体も成しておりませんが、
こういう形じゃないと、いまの考えを留めておけない気が致しました。
なのに、ご丁寧なコメントを頂戴して恐縮しております。

閑話ノートさまのおっしゃる通り、
国の実態、現政府の成し得る限界も了解しながらも、
思うままを書いておきたいと思いました。


> したがって、私はまずこの現実を素直に受容せざるを得ないと考えています。

この問題に関するわが国の国民の平均的な意識、
閑話ノートさまのご指摘の通りなのだろうと、わたくしも思います。

> わが国は中国のように共産党一党独裁政権のもとに、国家権力を行使し、一朝にして事を決することはできません。その意味で中国よりも日本の民主主義のコストは高いともいえます。これは上述のように止むを得ません

おっしゃる通りです。だからこそ、せめて自衛の意識の啓発を、と。
閑話ノートさまのご意見、受け入れ難いなどとは思いませんよ。
(1)に関しては、その通りだろうと思いますもの。
むしろ、エネルギー政策を「暫定」と「恒久」対策に分けるというご意見は、
実に明快です。国は、「短期」と「中、長期」的対策としてうんぬん、
そういう表現をする分、実に曖昧で分かりにくいですが、
閑話ノート様のは明快な分、イメージもしやすい。

> 火力、水力、原発、太陽光ほか再生可能エネルギー等の電力供給配分の最適化を図る

それだ!と同感しきりでした。
数値目標がないから最適化が図られないのではなく、
最適化が図られていないから、その数値目標も出てこないのだと。
それが、エネルギー政策を曖昧なものにしているのだと。
最終処分の問題も、やはり進む技術への期待なくしてはできないので、
そのための予算措置もとても重要ですよね。
消費税はそのために使ってほしいほど。

> 原発大国のフランスやアメリカと国際技術提携する。

フランスとの次世代原発の技術提携は始まっているとのこと。
アメリカとの場合、原子力の軍事利用大国ですから、
軍事機密保護という点で、同盟国としてそれがクリアーされれば、
日本が交渉を控えている原子力潜水艦を持つ方向の提案も進むのかも。
これは(2)に関わってきますので、省略。
同様の理由から(3)へのレス、これも省略。(省略汗)

今回の「璋子さんの問いに逃げるわけにはいかない」というコメント、
閑話ノート様、ありがとうございました。

Re: 太郎さん、コメント有難うございます。

思うままに書いてきた記事に、誠実なるコメントを頂戴し恐縮しております。
原発問題について書させていただいたのは、久しぶりでした。
そこで、こうすべきだなどという意見を挙げておりませんので、
コメントをいただけるとは思っておりませんでした。

> (中略)同時に、そこは違う、もう少し、見ていないものを探って欲しい、こう考えたらどうかということも感じました。
> それがどういうところから来ているのか、よく考えてみたいと思います。

太郎さん、どうぞ、いつでも、ご意見をお聞かせください。
この問題はずっと考え続けてており、賛否両方の立場からの本も資料も可能な限り読んで参りましたが、いまなお、原発をどうすべきなのかといった具体的なイメージが持てないままでおります。個人的なことを申せば、友人が海外で原発にも関連する技術研究の仕事に携わっていて、日本では普段なかなか聞くことができない情報も聞き及ぶせいか、安易には答えが出せないまま、とにかく考え続けるという姿勢だけは持ち続けております。

> 膨大な、月光院さんのメッセージに、どのように自説を整理したらいいのか、とまどっています。


いつでも、異論反論も含めて、太郎さんのご意見をお聞かせいただければと思います。
京都にいれば若狭の原発のこと、宮城に帰ることになれば、女川原発が待っており、やはり、自分の姿勢というものを定めないと、子供たちの将来の事に責任が果たせないという思いです。

> いま、一つだけ、言えることは、私は少しだけ、楽観的だということでしょうか。

わたくし自身も、普段は、いろいろの面で、かなり「楽観的」なのです。
時には、周囲から、信じられないという顔をされるほどに楽観的・・・
性格からではなく諦念からの楽観のような気がする昨今です。

璋子さんの問いに逃げるわけにはゆかない。

率直な疑問とご意見を述べられております。たぶんそのとおでしょう。だけどこれが国の実態であり、現政府の成し得る限界なのだろうと思われます。国民の平均的意識も同様で、この程度ということでしょう。
したがって、私はまずこの現実を素直に受容せざるを得ないと考えています。わが国は中国のように共産党一党独裁政権のもとに、国家権力を行使し、一朝にして事を決することはできません。その意味で中国よりも日本の民主主義のコストは高いともいえます。これは上述のように止むを得ません。

さて二、三の課題について、小生の考え方を列記します。とても璋子さんには受け容れ難いでしょう。ですのでご笑覧ください。

(1)エネルギー政策は暫定と恒久対策に分ける。まず暫定策は、休止中の内、ハードルを上げた再稼働条件をクリアした発電所は直ちに稼働させる。これは中央政府の政治判断で可とする。火力発電フル稼働に伴う9兆円にも昇る燃料費増は看過できない。本件、暫定策は電力会社の経営や諸々の特性と立地もあるから、火力、水力、原発、太陽光ほか再生可能エネルギー等の電力供給配分の最適化を図る。つぎに恒久策については、より安全性の高い次々世代原発*の開発を遅滞なく進める。もちろん最終処分問題も並行して進める。再生可能エネルギーもより積極的に取り組み、電力コストと安定供給の可能性を徹底追求してゆく。これら両者の研究開発を同時進行させ、進捗状況と成果に合わせ、(ずっと先になると思われるが)国家のエネルギー戦略を確定する。以上の恒久策は国としてタイムスケジュール(工程表)を策定し、国会の承認を得て進める。タイムリーにこの計画の進捗状況を国民に知らせるのは言うまでもない。
*原発大国のフランスやアメリカと国際技術提携する。

(2)わが国の安全保障と国防のあり方・・・(字数が増えるので省略)
(3)近隣諸国との関係性とわが国外交の採るべき政策・・・(同上)

No title

月光院さん。20日付原発・核問題の記事、読ませて頂きました。

自問・疑問・問いかけの部分の大半は、同じ思いです。
真摯で、けなげなまでに真剣な、お考えに、表現できないものが
伝わってきます。同時に、そこは違う、もう少し、見ていないものを探って欲しい、こう考えたらどうかということも感じました。

それがどういうところから来ているのか、よく考えてみたいと思います。
膨大な、月光院さんのメッセージに、どのように自説を整理したらいいのか、とまどっています。いま、一つだけ、言えることは、私は少しだけ、楽観的だということでしょうか。なか、抽象的でまとまらず申し訳ありません。

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