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妻が産んだ子は本当に自分の子か

先週末、小野田寛郎氏の訃報に接して各社のニュースを読み比べていたとき、
以下のニュースを目にしました。

DNA鑑定「妻と交際相手との子」、父子関係取り消す判決
(朝日新聞ネット配信ニュース 1月19日付)


離婚がいまや当たり前に行われていることを思う時、
利害が対立し感情がもつれたご夫婦の離婚裁判がどうなるか、
それは多くの方がお察しの通り、大変な神経戦となることが多い。

離婚訴訟で離婚を難しくするものは、
生活力のない配偶者(多くは専業主婦の妻)の生活費というお金の問題と、
親権を巡って争われる子供の存在で、
法律的にも血縁上の親子関係のある夫婦の離婚でも、
かように難しい問題が横たわっているわけですけれど、

上記のニュースにおける訴訟は、これまで親子として暮らしてきた父子の間で起こされた訴訟。妻が産んだ子が自分の子かどうかを訴訟で明確にし、そこにDNA上父子関係が認められなければ、その父子関係は消滅するのかということが争われているのです。背景には、夫婦の離婚問題があります。

一見、離婚の障害となっている問題を解決するのに有効だと、そう思われそうなケースですけれど、こうしたことが一般化していけばどうなるのだろうと、考えさせられてしまいました。


最高裁で審理中のケースでは、妻が産んだ我が子と信じていた子が、実は、夫の単身赴任中に妻が交際していた別の男性の子と判定された裁判が、一審、二審で、夫側は上告し、いま、その判決が下されるのを待っている段階。


離婚によって自由になりたい妻と子の側に立つのではなく、
父子関係の消滅を避けることによって離婚を防ぎたい夫の側に立つのでもなく、
一般の、わが子と信じて育てている男性の立場に立った時、
いかなる問題を生むだろうと。
また、このケース以外にも、複雑な父子関係を持っている家族にとって、
DNAで覆される父子関係というものを、どう位置付けたらいいのかと、
考えさせられています。


なぜ、こんな訴訟を起こしたのかといえば、
ご承知のように「民法772条」というものによって、

「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」

と定められているからで、上記のケースではこれが問われているのです。

婚姻した多くの夫婦の間に生まれた子供に対して、
それを「本当に俺の子か」という疑いを持つ夫というのは、
普通、いないのではないかと思われるほど、一般に、
結婚した夫婦と家族はこの法律によって守られているとも言えるわけです。

ドラマなどではこれを悪用して恥じない妻も出てきますけれど、
なんだかんだあっても結婚を決意して婚姻関係を結んだ一般のご夫婦にとって、
生まれてくる子を自分たちの子供として信じて疑わないはず。

けれど、女性にとって我が子であることが自明の子でも、
自分のお腹を痛めて産むわけではない男性にとっては、
あなたの子よと言われても、正直、生まれてきて抱きあげるまでは、
実感は湧かず、不安だったりするのではないでしょうか。

妻が産んだ子が我が子と信じて疑わないということは、ご夫婦間の信頼関係によるわけで、そして、正式な配偶者としての女性、つまり妻が産む子供は、男性にとって自分の財産を受け継ぐべき大事な後継者でもありますから、かつて「子なきは去れ」という言葉が妻に向けられた時代があったわけです。

正式なご夫婦であっても、生まれてくる子は他の男の子供かもしれないと、そういう疑いが持たれるような事情があった場合、夫はその子供を育てる義務は生じないということで、この「民法772条」は明治時代さながらの意識が反映されているとも言えるかもしれませんが、男性は、おかげで不義の子を育てさせる不利益から守られているわけです。


本来、夫側だけが提訴できるこの提訴も、
子の出生を知ってから1年以内と定められているのは、
こうした訴訟によって生じる親子関係や親子関係への影響を少なくし、
結果によって離婚となった場合の再起への可能性を大きくし、
子供の健全育成保護のためもあるでしょう。


けれど、自分の血を分けた子供ではないと分かっていても、夫側に、その子との父子の関係を保ちたいという思いや考えがあった場合、この「民法772条」の主旨はどうなるのか。夫の子への愛情、子の父親への愛情が成立している場合、
DNA鑑定で覆された親子関係といえでも、法的な親子関係をも覆せるのか。そこでも「722条」は適用されるのか。

その夫との離婚を妻が望んでいる場合、しかも、
その夫が、わが子の本当の父親ではないという場合、
この「民法722条」は、妻にとっては離婚の障害になる得る。

上記の訴訟の一審、二審では、こうした妻側の訴えが認められたわけです。
子どもが幼い上に妻の交際相を「お父さん」と呼んで成長しているという事情、
つまり、血縁関係上の本当の父親を「お父さん」と呼んで育っているわけで、
特殊なケースであると言えると思われますが、

二審までの判決は、結婚によって生じる法律上の父親の権利よりも、不倫であろうと不義であろうと血縁上の父親の権利が優先されるという、そうした結果になるわけで、男性にとってはかなり複雑な心境になられるかもしれませんが、最高裁の判決が注視されるのは、影響が男性だけに及ぶわけではないからです。


ご夫婦関係の現状、お子さんの成長と幸せを第一に考えるならば、
民法722条との整合性を考えた付帯条件付き判決になると思われますけれど、
判決が判例となることを考えれば、判決内容次第では、

血縁上の父親ではなくとも妻となった女性とその女性が産んだ子供を
慈しんで守ってきたという男性の場合でも、
法的に我が子に対して何の権利も義務もなかったはずの男から、
血縁上の父は俺だということで起こされる訴訟が頻発するかもしれない。

ストーカー犯罪が多発してきている時代状況を考えるに、
そんなケースも案じられる次第です。あるいは、

自分の子として育ててきた子から、愛情をうまく伝えられない父親が
血縁上の親子ではないのだから法的な父子関係も消滅すると、
反抗期になって訴えられたりするかもしれない。



人間誰もが幸せに暮らしたいと思う。
幸せに暮らしたいと願う。


法治国家である以上、考え方次第では、
暮らしの全てに対して法律に準拠した対応が可能になるとも言えます。
自分の求める幸せを実現するために提訴したり、
幸せを実現するために法律の改正や新たな法の立法を求めたりもできる。
けれど、法律というのは神様でも万能なものではありません。

こうした訴訟をわたくしたちの暮らしに照らし合わせて考える時、
法的に何が問われているのかといったことよりも、
本質的に何が問われているのか。

やがて、婚姻によって生まれた子供に対して、生後1年以内にDNA検査を義務付ける法律、鑑定結果次第で婚姻を無効にする法律も出来るかもしれません。信頼より懐疑を合理的とする婚姻関係は、いかなる夫婦関係や親子関係を築いていくのか。

立ち止まって考えてみたいと思います。



以下は、わが家の愛猫(2歳)が出産した直後の写真です。
わたくしが留守をしており、娘が立ち会いました。

出産2

不安の中での長い分娩となり、やっと産みお終えたというのに、休むことなく、
赤ちゃんの一匹一匹を舐めてやってからおっぱいをあげていました。

出産3

娘が顔を近づけても安堵の表情の愛猫。
娘は電話をくれたとき、感動して泣いていましたっけ。

出産

女性は10か月間お腹の中で育てやがて産みの苦しみを体験して出産します。
夫から出産の労苦をねぎらってもらい、そうして抱きしめた赤ちゃんを夫と共に見つめるとき、
「その赤ちゃんが本当にご主人の子かどうか、これからDNA検査を致しますね」
これって、SFじゃないのなら、笑えない未来です。


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Re: ご無沙汰でした。(^.^)

>璋子さんのお気持ちは考え過ぎだと思います。

閑話ノート様の以下のコメントを拝読し、

>さて私の結論ですが、最終審がどうなろうともこの種の係争問題が飛躍的に増えるとは思いません。(^.^)

そうであればよろしいのですけれど、
代理母や体外受精児の親権訴訟が問題となったときも、
レアケースで終わるかと思っておりましたが、そうはなりませんでした。
家族の形が価値の多様化という名の下の個人の欲望で変わることは、
仕方がないこととはいえ、だからといって、家族に対する保護を担保している法律が、
個々のケースに迎合するような解決を示唆することがあってはならないと。
訴訟を起こされる方たちに同情すべきところは多々ございますけれど、
自己責任というものを考えるなら、たとえ時間がかかっても和解の道を探って欲しいと、
そこに忍従の時間が生じようとそれだけのことをしたのだと。

自己の権利のみを最大限追求するかのような訴訟という手段で、
問題を解決する姿勢が判決次第では社会に広がっていくのではないかと。
杞憂であればよろしいのですけれど。

ご無沙汰でした。(^.^)

さてこの判決内容は存じ上げませんが、璋子さんのお気持ちは考え過ぎだと思います。こういう特殊ケースの確率がどうなのか?この夫が「わが子でない」と怒り心頭に発し、瞬間湯沸かし的に訴えたのではないでしょう。いろいろな伏線があって悩んだ末の訴訟と受けとめたい。一方、血縁関係にない子であっても、夫婦とその子らが家族愛によって過ごされているのなら、見做し親子であってそれもヨシ。眠っている親子を起こす必要はない。さて私の結論ですが、最終審がどうなろうともこの種の係争問題が飛躍的に増えるとは思いません。(^.^)

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