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いま日本画が面白い!・・・京都府立文化芸術会館で開かれている「倣古」展

毎年、芸大や美大の卒業制作展が始まる頃、
ここ京都でも市内の各大学を訪れては作品を拝見してきましたが、

ここの大学は面白い!という印象を年々強くしてきた大学がここ京都にあり、
この大学の「染織テキスタイル」の作品、「日本画学科」の作品など、特に注目してきました。
千住博さんが去年まで学長を務めていらした京都芸術造形大学ですけれど、
ここ数年、東京芸大をしのぐ人気で注目されている大学です。
学生たちの作品には本当に唸らされてきました。

今日ご紹介する展示会は、京都造形芸術大学の美術工芸学科日本画コースの学生たちの
本年の卒業制作作品の公開展示会です。


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この「倣古展」は、美術工芸学科日本画模写コースの学生たちによる作品の展示会です。
模写制作に対するその真摯な姿勢に感銘を受けました。


卒業作品の制作にあたって、描きたいものを自由に描く個性の発露とされる自由制作をあえて選ばず、
なぜ模写作品の制作に一年間を費やしたのか。
しかも、模写作品なので、写真を撮ってご紹介することも出来ませんし、
他の学生たちのように展示会で作品を売却することもできない。

なのに、制作にあたって、画材や表具に数十万円もの費用がかかっており、
その費用の捻出のため学業の合間にアルバイトまでしてきた学生たち。


なぜ、模写なのか。模写制作なのか。なぜ、模写制作を選ぶのか。選んだのか。


P5184723.jpg
(ちなみに、このポスターは昨年のもの。フォルダを探したら出て参りました。以下同様)



学生さんたちの声をご紹介させていただきますね。

先人も同じように、模写をしています。いまに至る名画の多くも洋の東西を問わず、
その時代時代において先人だった画家たち絵師たちの作品を模倣し、
先人の作品に対する姿勢、精神性、そしてその技術を、真摯に学び研究しています。
そういう時期、画業の積み重ねを経て、初めて自らの作品の制作に取りかかっているんです。


ゼロから新しい表現を生みだすことはできない。
こういう作品を描きたいと思っても、底が浅いものしか描けない。
思いだけが先行しても技術が追い付かない。
だから、自分が表現したいと思うものを表現するためには、
謙虚に学ばないといけないと思いました。


いかがでしょう。作品同様、作品に向かうこの真摯さにも感銘を受けました。


名画の修復技術を身につけて、そういった仕事に就きたいという学生さんもいました。


職人の匠と芸術の匠・・・・


美術というものと向き合って感動し、学び、悩み、そして地道に学び直し、
自らの道を必死で探している学生たちの真摯さと腕前は、
わたくしが想像している以上でした。

ただの模写ではない。血肉化された模写作品・・・・

これだけの作品を仕上げるのにどれだけの頑張ったことか。
いかに若くとも、背中や首や肩の痛み、腰痛なども起こったことでしょう。

仏画に顕わされた截金(きりがね)の技術の素晴らしさも実に見ごたえのあるものでした。
さすが、江里佐代子氏に憧れ学んだ学生さんたちだと感服。

真面目に誠実に制作に取り組んでいる芸大美大の学生さんたちの存在を、
ご紹介させていただこうと思った由縁です。


多事多用だったためご紹介が今になってしまいましたけれど、会期は明日まで。
開館時間は10時から17時までですが、明日はギャラリートークが午後一時から開催。
ご都合のよろしい方は、ぜひ、ご覧になってみてください。
静かな感銘を受けるおススメの展示会です。
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Re: Re:Re: 倣古

> これはまた長文のご丁寧なご返事恐れ入ります。

いえいえ、美大や音大といった芸術系の大学卒業者の就職について、
世間の中高年者の方たちの誤解を解くのにちょうど良い機会をいただきました。

> 美大生にしても画学生にしても、その専門性を活かして卒後、本業に就くのは大変で難関であろうと正直思っていました。(中略)真の才能がなければ例えばプロの画家にはなれません。プロというのはそれで飯を食ってゆくことを意味します。


おっしゃる通りですよね。文学部を卒業した学生が作家や文学研究者になれるわけではなく、それは法学部卒業者が弁護士や検事になれるわけではないのと同様で、美大卒業生が画家として食べていけるケースはさらに少ない。それは努力だけではどうにもならない分野だからでもあるからです。
音楽大学を卒業した学生にしても、クラシックの場合、オーケストラの団員となることができるのも一握りですし、その多くもピアノやヴァイオリンの教師を兼業しながらだったり、結婚相手との共働きで家計が成り立っているというのが実情です。ましてや、いかに音楽コンクールがたくさん出来ようと、ソロの演奏家になれる保証はまずほとんどありませんし、演奏家の多くも音大の教員を兼業しているのが現状です。(その方が、個人レッスン料という副収入が大きいので実入りが大きかったりします)

音大の一般卒業生の場合、特に難しいのは、高度成長期以後、音楽大学に進まなくとも、ピアノやヴァイオリンのレッスンを受けてそれなりの才能を持っている潜在的な演奏能力保持者が、実はかなりの数に上っていることも挙げられます。町中のピアノ教室経営やオーケストラの団員になる上での競争相手になっていることも影響しているかなと。なので、それなりの才能や野心があると思われる音大卒業生の多くは、親の経済力で海外に行ってしまいます。名の通った先生についてレッスンを受けたり外国の地方のオーケストラで演奏したり・・・それでも、ソロ演奏家として活動できるチャンスは才能次第。その才能には、演奏以外の渉外や営業の才能も含まれますから、海外に出た「プロ未満」の「演奏家の卵」たちは、アラフォーに入っても日本に帰るに帰れないまま外国暮らしとなっているわけです。そうなると親子関係も難しくなるらしく、そういったお嬢さんの話をときどき聞かされます。親の資産が裏目に出てしまったとも言えるかも知れませんね。

以上のお話で、「民間会社で私の付き合った音大生や音楽の学部生の大半は、演奏家や作曲家にはなれず、心ならずも他の職業に就くことが多い」理由もさらにご理解いただけるかもしれませんね。

心ならずも他の職業に就くという点では、おそらく一般の大卒者の多くも、一部を除いてそう違わないのではないかと思います。仕事を得て食べていけるということ、そして、家族を養っていく経済力というのは、才能や努力同様に、人間性や真面目な性格や当人の社会人としてのモチベーションなくしては、一朝一夕で身につくようなものではありませんし、

いずれにしても、どんな大学を出たにせよ、どんな職業に就くにせよ、若者には、
学んだことを通して、豊かな人生を生きて行ってほしいと願わずにはいられません。

追記ですが、芸術系大学でいま注目されているのは、映像学科で学んだ学生たちの活動です。
何だか、とっても面白そうですよ。

Re:Re: 倣古

これはまた長文のご丁寧なご返事恐れ入ります。

美大生にしても画学生にしても、その専門性を活かして卒後、本業に就くのは大変で難関であろうと正直思っていました。せいぜいどこかのミュージアムの学芸員が関の山かなぁと。真の才能がなければ例えばプロの画家にはなれません。プロというのはそれで飯を食ってゆくことを意味します。民間会社で私の付き合った音大生や音楽の学部生の大半は、演奏家や作曲家にはなれず、心ならずも他の職業に就くことが多いと彼女たちに聞きました。そんなこともあり、つまらない質問をしてしまいました。

疑問というのは他者に聞いてみるものですね。そのことを璋子さんのレスで氷解しました。納得です。

Re: 倣古

> それよりもいつも気になっているのですが、芸大や美大の生徒さんたちは卒業後どこへ行くのですか?就職先のことです。会社の人事部門にいたときに、編曲業務に東京芸大卒(音楽部作曲科)を採用したことがあります。ですが社会に出るには一般的にみんな狭き門のはず。何のために入学するのか不思議でならないのです。素朴な疑問です。

音楽部門の卒業者の就職のことは知らないのでお答えしようがありませんが、美術系の大学を卒業する場合、就職はどうなっているのかという点では、入学する大学と学科次第だということです。受験生の偏差値でトップにあるG大などの場合と違って、大学側が学生の就職に相当力を入れている芸術系の大学の場合、就職率が90%を超えている学科もあり、京都や金沢ではその傾向が著しいという印象を持ちました。たとえば、京都のS美大のケースですが、そこの日本画科の卒業生は引く手あまたで就職率は100%に限りなく近いです。大手企業から中小小企業までさまざまですが、根気のいる職種や地道にやることを何より求めるといった企業からの求人が毎年続いていて、意外と学生の性格やタイプとのマッチングが功を奏して就職が決まっているようです。
そのことを誰よりも知っているのが、その大学を選んで受験し入学してくる学生たちとその保護者なんです。

かつてのように、美大になど行ってもどうにもならんと言われた時代ではなくなりつつあると言えばいいでしょうか。昔は、学校の美術の先生になるというのが1つの安定した就職先でしたが、少子化のいま、学校に美術教員の席はありません。あっても、ごく少数で、ほとんどはコネ就職です。その代わり、美術館や博物館に就職する学生も増えました。どこの自治体にも博物館だの美術館だの資料館だのがあるからです。昔では考えられなかった大手広告代理店、一部上場企業の広報宣伝部にも毎年それなりの数の学生が就職しており、食品会社だの建設会社だのいろいろです。小さなところでは、出版社、デザイン事務所、映画製作関連会社、個人アーティストの経営する会社など、実にさまざまです。この春、娘の友人のように、美術修復の会社に就職が決まった学生もおり、これは教授推薦で決まりました。かように、その世界ならではの就職先もあるんです。

私立大学の場合、昨今は学費支援の割合がかなり大きいことをご存知でしょうか。授業料全額免除、半額免除、作品制作費用の支援(50万円支給されます)などが成績に従って多多設けられているのですよ。
それと、京都の大学の場合、単位互換性制度が充実しているので、美大芸大生でも、語学や哲学や経営学や社会学や法律他いろいろの教科の勉強をしている学生は少なくありません。一部の限られた学生たちなのかもしれませんが、娘も1、2年生のころはK大で受講をしており、取得単位数も一般大学の学生より多かったように思います。同じようにD大やK大から美大の授業を受講していた学生もいたようで、編入してきた学生もいたようです。昔なら在り得ないよう話ですけれど、わたくしの友人のご子息も東京の有名大学の法学部を卒業後、美大に浪人してまで入学いたしました。アニメ制作の会社に入るべく、まだ2年生ながら就職活動に励んでいるとか。

この就職難のときではありますが、娘も昨年、一部上場の会社から就職のお話をいただいておりました。大学院に進学する決意をした際、学びたいという気持ちが尋常ではない程強く、さんざん思案しての決意でしたので、本人に任せることに致しました。わたくしの心配を案じてなのか、本人の性格なのか、「就職は大丈夫だから」と胸を叩いておりますが、先はどうなりますか・・・

娘の進む学科の院の卒業生の就職率は80%で、京都の伝統工芸企業と博物館に就職する学生たちが毎年おり、それが可能になっているのは大学とそれらとの就職先との提携が理由のようです。20%は家業を継いでいます。就職した院卒業生は、好きな仕事をさせてもらえているので、お給料は一般企業より少なくとも満足度は高いとのことでした。院生の半分はアルバイトしながら個展を開催し博士課程に進学し、卒業後は大学に就職というコースです。ある意味、一般大学の学生よりも就職では恵まれているかもしれません。しかしながら、こうしたコースに乗るには、同じ美術でも、彫刻や油絵などの西洋画専攻の場合、かなり難しいようです。就職率の高さは、どこの美大でも特定の学科に限られているように思われます。が、目的を持って入学してくる学生が他大学よりは多いせいか、就職活動もワンポイントで攻めるようで3年時からかなり積極的で、行きたい所に決まった学生の話をよく耳にしました。

いずれにせよ、本人の人生です。親がしてやれることは大学卒業までの学費の支援。それも、今日で終わりです。お陰さまで今日は娘の卒業式です。もうじきいったん帰宅すると思いますが、これで、やっと、この春、主婦業と共にそれからも解放されます。長かったです。

倣古

倣古って陶磁器などの制作かと思っていたのですが、絵画芸術もあるんですね。

それよりもいつも気になっているのですが、芸大や美大の生徒さんたちは卒業後どこへ行くのですか?就職先のことです。会社の人事部門にいたときに、編曲業務に東京芸大卒(音楽部作曲科)を採用したことがあります。ですが社会に出るには一般的にみんな狭き門のはず。何のために入学するのか不思議でならないのです。素朴な疑問です。

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